【税理士がわかりやすく解説】建設業の経理特有の勘定科目とおすすめの会計システム

皆さんこんにちは。福岡市の河上康洋税理士事務所です。
建設業会計は製造業や小売業など他業種の会計とは異なる独自の特徴を持っているため、建設業を営む経営者の方から
- 工事ごとの利益がわからない
- 決算のたびに思っていた利益と違う数字が出る
- 今の経理のやり方で合っているのか不安がある
このような声をよくお聞きします。
建設業の経理は、製造業や小売業など他業種とは異なる独自の特徴があります。
そのため、一般的な経理の知識だけでは対応しきれない部分があるのです。
この記事では、建設業経理の基本として、勘定科目の特徴、原価管理のポイント、おすすめの会計ソフトについて解説します。
この記事で得られること
- 一般企業と建設業会計の違い
- 建設業特有の科目と使い方
- 工事別に管理する理由と、経営判断への活かし方
- 建設業に特化したDAIC2クラウドの特徴
建設業の経理が他業種と異なる理由

建設業会計が他業種と異なる最大の理由は、建設業が「受注産業」であり、工事ごとに契約内容・工期・原価構造が大きく異なる点にあります。
多くの場合、工事は数か月から数年にわたって進行し、決算期をまたぐことも珍しくありません。そのため、売上や利益を会社全体で一括して把握するのではなく、工事単位での管理が不可欠となります。
また、建設業では「完成基準」や「工事進行基準」など、収益認識の方法が重要となり、会計処理の誤りが業績や税務に大きな影響を与えます。
加えて、下請取引や外注費、資材費などの割合が高く、原価の管理次第で利益が大きく左右される業種でもあります。
このような背景から、建設業会計では一般会計に加え、工事別原価計算を正確に行う体制が求められます。
建設業特有の勘定科目

建設業会計では、工事に紐づく勘定科目が多く用いられる点が特徴です。一般企業とは異なる科目を使うため、正しく理解しておくことが重要です。
代表的なものとして
- 完成工事高
- 完成工事原価
- 未成工事支出金
- 未成工事受入金
などがあります。
完成工事高・完成工事原価
「完成工事高」は、工事が完成した際、または工事進行基準に基づいて計上される売上高です。一般会計の「売上高」に相当します。
「完成工事原価」は、その工事に直接要した材料費、労務費、外注費、経費などを集計した原価となります。一般会計の「売上原価」に相当します。
これらを対応させることで、工事ごとの利益を明確に把握できます。
未成工事支出金・未成工事受入金
決算日時点で未完成の工事については、「未成工事支出金」として原価を資産計上します。
これは、まだ売上に対応していない原価を一時的に繰り延べるための科目です。一般会計の「仕掛品」に相当します。
反対に、工事代金を前受けしている場合には「未成工事受入金」として負債計上します。
これらの勘定科目を適切に使い分けることが、建設業会計の正確性を左右します。一般会計の「前受金」に相当します。
一般会計との対応表
以下の表で、一般会計と建設業会計の勘定科目の対応を確認できます。
| 一般会計 | 建設業会計 | 内容 | |
|---|---|---|---|
| 損益計算書 | 売上高 | 完成工事高 | 工事契約の完成(完成基準・進行基準) |
| 売上原価 | 完成工事原価 | 工事契約の完成に対応する原価 | |
| 貸借対照表 | 売掛金 | 完成工事未収入金 | 引き渡し済みの工事で未回収のもの |
| 仕掛品 | 未成工事支出金 | 引き渡しまでに発生した工事原価 | |
| 買掛金 | 工事未払金 | 材料費・外注費などの未払金 | |
| 前受金 | 未成工事受入金 | 引き渡し前に顧客から受け取ったもの |
これらの科目を正しく使い分けることで、工事ごとの収支を正確に把握できるようになります。
建設業の経理で最も重要な「原価管理」

建設業会計において最も重要なポイントは、原価管理です。
建設業の利益は「受注金額-工事原価」で決まるため、原価の増減がそのまま利益に直結します。
原価管理が必要な理由
材料費の高騰や追加工事、手戻り作業などが発生すると、当初の見積もりから原価が大きく乖離することがあります。
原価管理ができていないと、「売上は増えているのに利益が残らない」という状況に陥りがちです。
そのため、工事開始前の見積段階から原価を意識し、工事進行中も実際原価をリアルタイムで把握することが重要です。
工事別に予算原価と実績原価を比較し、差異が生じている場合は早期に原因を分析し、対策を講じる必要があります。
原価管理は経営判断に直結する
原価管理は経営判断にも直結します。
どの工事が利益を生み、どの工事が採算割れを起こしているのかを把握することで、受注方針や価格設定の見直しにも活用できます。
「この工事は利益率が高い」「このタイプの工事は赤字になりやすい」といった傾向がわかれば経営の質が大きく変わります。
建設業におすすめの会計ソフト「DAIC2クラウド」

建設業会計の特性を踏まえると、一般的な会計ソフトでは管理が煩雑になるケースも少なくありません。
工事別の原価管理を行うには、建設業に特化した会計ソフトを使うことをおすすめします。
当事務所では、TKCが提供するDAIC2クラウドをおすすめしています。
DAIC2クラウドの特徴
DAIC2クラウドは、建設業に特化した会計システムで、工事別原価管理を中核に据えた設計がなされています。
POINT
- 工事ごとの収支状況をリアルタイムで把握できる
- 未成工事支出金や完成工事原価の管理がスムーズ
- 会計データと原価データが一体化し、二重入力の手間を削減
- TKC会員税理士との連携で、月次決算の早期化が可能
建設業特有の会計処理や原価管理に悩む企業にとって、DAIC2クラウドは経営管理を強力に支援する有効なツールといえます。
当事務所のサポート内容
河上康洋税理士事務所では、建設業の経理・会計をサポートしています。
当事務所の特徴
- 建設業の顧問実績あり
- 建設業会計に対応した勘定科目の設定
- 工事別原価管理の仕組みづくりをサポート
- DAIC2クラウドの導入支援
- 月次訪問で数字を見ながら経営相談
- 税理士変更にも対応
建設業のお客様紹介
福岡市の屋根工事業株式会社 セプテット様よりお客様の声を頂戴しましたのでご紹介いたします。
お客様紹介はこちら
福岡市で建設業の経理にお悩みの方へ

建設業の経理は、一般企業とは勘定科目も管理方法も異なります。
工事ごとに契約内容・工期・原価構造が異なるため、工事単位での管理が不可欠です。
「今のやり方で合っているか不安」「工事ごとの利益を把握したい」と感じたら、建設業がわかる税理士に相談することをおすすめします。
当事務所では様々なお客様から税務・経営サポートのご相談をいただいております。
税務顧問サービスのご案内
- 開業/創業を予定している
- 福岡市や博多エリアで税理士を探している
- 助金の活用を検討している
- 税務だけでなく経営面でもアドバイスがほしい
という方はぜひ河上康洋税理士事務所にお問い合わせください。
ご相談をはじめ、「決算書の読み方と数字の活かし方」といったセミナーも定期開催しております。
御社の規模・課題に応じて最適なご提案をいたしますので、ご希望の方はお電話またはお問い合わせフォームからご連絡ください。
河上康洋税理士事務所
代表 河上康洋
プロフィール
- 福岡市の税理士。中小企業のためのコンサル型税理士として税務・会計面はもちろんのこと、経営者のビジョンの具体化、管理会計をベースにしたお金の流れの見える化をアドバイスしています。
最新の投稿
コンサルティング2026/02/13建設業の経営相談実績あり「数字を見ながら話せる相談相手の選び方」
税務2026/02/13【税理士がわかりやすく解説】建設業の経理特有の勘定科目とおすすめの会計システム
税務2026/02/12【税理士が解説】税抜経理と税込経理の違い|固定資産の判定基準も紹介
税務2025/12/16【税理士がわかりやすく解説】キャッシュフロー計算書の見方|「黒字なのにお金がない!」を防ぐ3つのポイント
