
前回は経営セーフティ共済(中小企業倒産防止共済制度)についてご説明しました。
今回は3共済の小規模共済(小規模企業共済制度)についてご説明します。
【3共済】
- 経営セーフティ共済(中小企業倒産防止共済制度)
- 小規模共済(小規模企業共済制度)
- 中退共(中小企業退職金共済制度)
小規模共済(小規模企業共済制度)とは
【概要】
個人事業主・会社役員のための退職金のようなものとお考えください。
こちらは小規模企業(セーフティ共済より、さらに加入要件が限定されています)向けのものです。
常時雇用20人以下の個人事業主または会社の役員(商業・サービス業は5人以下)が加入でき、月々の掛金(1,000円~70,000円)に応じて、廃業・退職などのときに共済金を受け取ることができます。
税制上のメリット
掛け金については、全額が「小規模企業共済等掛金控除」の対象になります。
年金等の社会保険と同じようなイメージです。
ちなみに事業主本人の共済ですので、個人事業の経費、あるいは法人の損金にはなりません。
共済金(受け取る方です)については、解約の場合は一時所得ですが
- 一括受取 = 退職所得
- 分割受取(10年、15年) = 公的年金等の雑所得
の扱いになります。
老後の生活を支える性格のため、一時所得よりも税制上有利な所得として扱われているのです。

近年の制度改正
※2011年現在
加入者の要件が拡大し、個人事業主の「共同経営者」も加入できるようになりました(平成23年1月~)
事業主本人ではないもの、実質的に経営に参画している方々へのフォローです。
法人に置き換えると、社長以外の幹部役員の方が加入する、というイメージでしょうか。
小規模共済(小規模企業共済制度)のポイント
1.掛金は個人事業の経費、あるいは法人の損金にはなりません
小規模共済(小規模企業共済制度)は事業主本人の共済です。
事業とは切り離した将来への備え(積立)ですので、個人事業の経費、あるいは法人の損金にはなりません。年末調整や確定申告で、所得控除を受けることになります。
2.小規模なうちに加入する
他の共済にも言えますが、要件に合う間に加入してしまいましょう。
とくに小規模共済はその名の通り、「小規模」でないと加入できません。小規模なうちに加入できれば、数年後に事業規模が拡大して常時雇用する従業員が増えたとしても、既得権として、小規模共済に加入し続けることができます。
「自分には退職金なんて…」とお考えのフリーランスの方も、少額でも早めに検討されることをおすすめします。
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