
「3つの共済」として、経営セーフティ共済・小規模共済をご紹介しましたが、最後に、中退共(中小企業退職金共済制度)をご紹介します。
いわゆる「3共済」とは、次のものをいいます。いずれも中小企業であることが加入条件です。
- 経営セーフティ共済(中小企業倒産防止共済制度)
- 小規模共済(小規模企業共済制度)
- 中退共(中小企業退職金共済制度)
中退共(中小企業退職金共済制度)とは

【概要】
小規模共済が「経営者の退職金」とたとえるならば、中退共は、まさに「従業員の退職金」とお考えください。
事業主が中退共と退職金共済契約を結び、毎月の掛金を金融機関に納付します。
従業員が退職したときは、その従業員に中退共から退職金が直接支払われます。
たとえば平成14年11月から適用されている「退職金額表」によると、
事業主からの掛金が、毎月10,000円 × 20年(掛け金の総額240万円)の場合、266万円強が退職金として支給されます。
税制上のメリット
掛金は、税法上損金(法人)または必要経費(個人事業)にできます。
近年の制度改正
平成23年1月1日より同居の親族のみを雇用する事業所の従業員についても小規模共済に加入していないなどの一定の要件を満たしていれば、
「従業員」として加入することができるようになりました。
中退共(中小企業退職金共済制度)のポイント
1.掛金が国や自治体から助成される場合がある
- 新しく中退共に加入した事業主には掛金月額の2分の1(従業員ごと上限5,000円)を加入後4か月目から1年間
- 掛金月額が18,000円以下の従業員の掛金を増額する事業主に増額分の3分の1を増額月から1年間
それぞれ国が助成します。また自治体によって、独自の助成制度があるところがあります。
2.受け取りは従業員に直接
退職金そのものですから直接従業員に支払われます。
退職金を支給しないといけないために、会社が別途積立ている預金や保険を解約して会社に支給資金を確保する、という考え方にはなりません。
あくまで、従業員の皆さんの福利厚生の一環なのです。
3.「退職金規程」をつくろう
中退共は、原則、従業員の全員加入です。ということは会社のルールとして、「退職金規程」をつくっておきましょう。
勤続○年なら、掛け金月額10,000円
などのように明確化できますし、求人などの際にも信頼ある企業として見られることでしょう。
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代表 河上康洋
プロフィール

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福岡の中小企業のためのコンサル型税理士。
税務・会計面はもちろんのこと、税理士と中小企業診断士のダブルライセンスを活かして経営者のビジョンの具体化、管理会計をベースにしたお金の流れの見える化をアドバイスしています。