DIAMOND ハーバード・ビジネス・レビュー 2011年10月号で、気になる記事がありました。
「お客様の言葉が社員を顧客志向に変える」 アダム M.クラント
著者の実験で、病院の医師・看護師が利用する手洗い場のそばに貼紙をしました。
どちらが石鹸・消毒液の使用量が多かったでしょうか?
(A) 手の衛生は、病気の感染からあなたを守ります。
(B) 手の衛生は、病気の感染から患者を守ります。
答えは(B)。
『二枚目の貼紙を掲示した場所では、石鹸や消毒液の使用量が平均33%増えていたのだ。
(中略)
これは、ただエンドユーザーについて言及するだけで、
自分たちの仕事から生じる結果がより鮮明にイメージされ、その結果、
有益な行動が増えることを示唆している。』(抜粋)
ほかにも、実際に顧客に会って感謝の言葉をもらって業務効率が上がった、
といった事例がありますので、
社員をヤル気にさせたい、と願うリーダーには、ぜひ読んでいただきたい論文です。
「品質がいい」「薄い・軽い」などは、機能の問題で、お客様のニーズとは言いません。
これは言ってみれば、わが都合。
「便利」「快適」となると、それが顧客価値となり、お客様に支持されるはずです。
お客様が何を求めているのか(潜在的に、顕在的に)、そして、企業は答えることができるのか、
簡単な方法のひとつが、実際にお客様の話を聞いてみる(社員に聞かせる)ことです。
お客様の声、感謝の手紙を回覧している会社もあります。
要は、お客様と、自分の仕事とを結び付けて考えることなのです。
顧客志向を深めることが、働きがいのある職場に変えるのだと思います。