LLPでもインボイス登録申請は可能※ただし条件があります

2023年10月から開始された「消費税インボイス(適格請求書発行事業者)制度」について、LLP(有限責任事業組合)でのインボイス対応に関するご質問を多くいただいています。
当事務所でも関与先の皆様に順次ご案内し、最適な対応策を検討しています。特にLLPを運営されている事業者様から「LLPでインボイスは発行できるのか?」というご相談が増えています。
結論から申し上げると、組合員全員がインボイス事業者であれば、LLPとしてインボイス登録申請が可能です。
ただし、いくつかの重要な条件と注意点がありますので、詳しく解説いたします。
LLPの消費税における基本的な仕組み

パススルー課税が原則
LLP(有限責任事業組合)は「パススルー課税」が原則となっています。
これはLLP自体が納税主体ではなく、構成員である法人・個人組合員が、それぞれ納税主体となることを意味します。
つまり、LLP自体が消費税課税事業者になるわけではありません。
この点が、LLPのインボイス制度対応を複雑にしている要因です。
LLPがインボイスを発行するための条件

組合員全員がインボイス事業者であること
ここで疑問になるのが、「LLPがインボイスを発行できるか」ですが、組合員全員がインボイス事業者であれば、LLPとして登録申請【※】できます。
国税庁の最新見解(2023年10月19日更新)
国税庁「インボイス制度に関するQ&A」が更新されました。
LLP等には登録番号は交付されず、適格請求書は組合員の登録番号等を記載することとされています。
インボイス制度に関するQ&A目次一覧|国税庁
任意組合等の届出手続き
届出名称は「任意組合等~」とありますが、民法上の組合のほか、投資有限責任組合やLLP(有限責任事業組合)も含まれるとされます。
届出書様式
任意組合等の組合員である適格請求書発行事業者が、任意組合等の事業としての適格請求書を交付する場合の手続きです。
なお、その組合員の全てが適格請求書発行事業者である場合に限ります。
※届出書の記載事例
