損益分岐点の応用編です。
< 売上高 = 変動費 + 固定費 >ということは、
< 売上高 - 変動費 = 固定費 >とも言い換えることができますね。
これは、売上高から変動費を引いたのこりで、固定費を賄うことができれば損が出ないことを意味しています。
ところで、売上高から変動費だけを引いた利益のことを、「限界利益」といいます。
限界、というのは、売上高が増えれば、それに比例して利益も増える、という考え方です。
変動費率が60%の場合、のこり40%が変動費以外の部分になります。
この、変動費以外の部分を、「限界利益率」といいます。
< 変動費 = 売上高 × 変動費率 >と同じように、
< 限界利益 = 売上高 × 限界利益率 >となるわけです。
例えば売上高1,000万円、変動費600万円の場合、差引400万円が限界利益です。
このとき、仮に固定費も400万円ならば、損益分岐点売上高は1,000万円になります。
変動費率は60%、限界利益率は40%ですね。
この限界利益、実は会社の利益を把握するのに、ものすごく使い勝手がよいのです。
例えをもっと複雑にします。
限界利益率が同じく40%の企業で、固定費が1,000万円かかっている場合、
損益分岐点売上高(利益が出始める売上高)はいくらでしょうか?
限界利益が1,000万円必要ですから、
[売上高]×40%=1,000万円、つまり2,500万円です。
商品が2つの時も同様です。図にしてみましたので参考にしてください。
ちょっと複雑ですが、限界利益率が分かっていれば、
< 損益分岐点売上高 = 固定費 ÷ 限界利益率 >
という考えが使えるのです。
割り算ですから、電卓を1回入れるだけ。
さっそく、皆さんの会社の費用を「固定費」と「変動費」に分けてみて、限界利益率を把握しておきましょう。